木版画をどう鑑賞すれば美しいか。一瞬の輝きを求めて。

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ディビット・ブルさんのPV、

にすっかり感化されまして、最近、手元にある巴水や他の版画作品を、いろいろな角度や光をもとに鑑賞して、一番美しく見える方法を模索中です。

ブルさんの指摘で面白いのは、江戸時代はもちろん、明治時代に浮世絵を額に入れてガラス越しに鑑賞することはなかったのだから、版画を額に入れて鑑賞するのはもっての外だという点です。

やはり直接鑑賞するのが一番で、少し暗い部屋の中で、斜めの柔らかい光が木版画の多様な摺りを浮かび上がらせるとともに、立体的に版画が見えて来るということを述べて居られました。

確かにその通りです。特に、二十度、三十度摺りというように何度も摺りを重ねる明治以降の新版画は、そうした鑑賞方法によって、その美しさがより引き立ちます。

そして私なりに気付いたことを一つ付け加えると、版画は表だけでなく、裏からも光が入ってきます。その両面の光が、さらに彫りと摺りの美しさを浮かび上がらせます。

上の図をごらんください。

明るい部屋と暗い部屋を用意して、その間の戸を開放します。そして、明るい部屋で版画を持ち、そのままバックしながら、暗い部屋へ入ります。そうすると徐々に暗くなり版画の輪郭や色が浮かび上がります。

そして、暗くなると同時に、版画の裏からも光が浮かび上がり、そのコントラストの絶妙な時に、ふわっと版画全体が光を放つ瞬間があるのです。そのジャストタイミングで足を止めます。

このタイミングは版画の大きさや版画の色によっても違いますが、明るい電灯の下ではまった感じられない、版画の何とも言えない柔らかさが目の前に広がるから不思議です。

この版画の一瞬の輝き。江戸時代なら行燈の近くで、明治時代ならランプの近くで、その淡い光の元だからこそ、味わえた木版画の醍醐味だったのではないかと思います。

ぜひ一度お試しいただければと思います。

また、もっと良い鑑賞方法があるかも知れません。
もし、それを知って居られる方、いらっしゃいましたら、ぜひご教授あれ。







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