エマニュエル・パストリッチ「私には夢がある」

IMG_3655[1].JPG


明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、穏やかな三が日でしたが、目を日本の外に転じれば、新年早々、ろくなニュースがありません。最初に飛び込んできたのは、トルコ・イスタンブールでのテロでしたし、隣国の韓国では、大統領弾劾、慰安婦、北朝鮮との軋轢など懸案の問題がさらにこじれる様相を呈し、それが日本との関係も大きく波及し始めました。加えてどこぞの国の次期大統領の高笑いも不気味です。

それにしても、この大統領誕生は環境、核拡散、経済格差等の問題について、まさに逆行であることが間違いないのに、変に持ち上げる方が多いのには驚きます。

それはともかく、イスタンブールには一昨年の九月に学生たちと訪問して、たいへん感銘を受け、また多くの方々との交流がありましたので、種々気にかかります。昨年六月にも、そのイスタンブールのアタチュルク国際空港でテロがありました。その爆破された場所は、なんと訪問時に学生といっしょに記念写真を撮った場所でした。今回事件が起きたナイトクラブ周辺には行きませんでしたが、トルコやイスタンブールの方たちにとっては容易ならざる事態でしょう。これ以上テロが広がらないことを祈るばかりです。

昨年の正月には、まだこのブログを始めていませんでしたので、畏友の草野隆氏のブログ「久良岐古典研究所」に、年々寛容さを失いつつある世界情勢(とくに東アジア、日韓)を思いつつ、またこちらも畏友のひとりである韓国・慶熙大学校副教授、アジアインスティチュート所長のエマニュエル・パストリッチさんの「私には夢がある」という文章を掲げて年頭の祈願としました。

一読すれば分かりますが、この文章は、マーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説「私には夢がある(I Have a Dream)」(1963年8月28日)を模して作ったパストリッチ版「I Have a Dream」です。

今年もやはりこの文章を掲げざるを得ません。そしてもちろん、パストリッチさんの夢は私の夢でもあります。

エマニュエル・パストリッチ「私には夢がある」


)
私には夢がある。それは、いつの日か、韓国人と日本人がひとつになって、中国、アメリカと一緒に、人類を脅かしている真の敵に向かって力を合わせるという夢である。敵とは、隣国ではなく、全世界を脅かしている環境危機、つまり気候変動である。その解決のため、全面的に協力するという夢である。

)
私には夢がある。それは、いつの日か、韓国の歴史家が、日本の帝国主義に勇気をもって立ち向かい、犠牲になった日本の幸徳秋水のような学者たち、小林多喜二のような作家たち、そして政治家、市民に敬意を表し、韓国の歴史博物館でも彼らを記念するという夢である。

)
私には夢がある。それは、いつの日か、韓国人が日本の誤った政策を批判するとき、平和主義を主張した笹本潤先生の名前を思い浮かべ、引用するという夢である。

そして日本人が科学技術政策を考えるときに、韓国の世宗大王の知恵に学び、古代韓国の優秀な行政の事例を参考にするという夢である。いつの日か、日本と韓国の過去二千年の王朝の行政システムを理解する両国の歴史学者たちとともに、日本と韓国が合同の連続講座をおこなうという夢である。そして専門家たちが、両国の政府官僚と会って、過去の制度で実践されていた良策から、どう未来の行政に活用できるかを議論するという夢である。

)
私には夢がある。それは、いつの日か、日本と韓国が、いにしえの時代にそうだったように、平和に包まれ、一続きの村々となってつながるという夢である。村と村の間に人々が行き来し、お互いに尊敬し合いながら、ときには結婚しに行ったり来たりするという夢である。

)
私には夢がある。それは、いつの日か、日本と韓国がともに世界中の人身売買と性的搾取に対してより厳格な法律を制定するという夢である。女性に対する犯罪をなくす努力をするように、世界の他の国々を促す、高い基準の新たなアカウンタビリティ(説明責任)を設定するという夢である。過去の慰安婦が、味わった苦しみの分、補償され、彼女たちは日本と韓国政府の両方が、今日の女性のためにこの悪夢を終わらせることに尽力していることを知るという夢である。

)
私には夢がある。それは、いつの日か、日本のすべての小学校が、韓国に姉妹校を持ち、日韓の小学生がインターネットを通じて日常的に一緒にプロジェクトに取り組むという夢である。両国の学生、両国のコミュニティーが、お互いに近所のこと、家族のこと、希望、そして夢を話し合える未来を想像しよう。子供の頃から相互利益のための共同プロジェクトを通じて、個人的な友情を長年にわたって育み、日韓関係の新時代の基盤を築き上げていくという夢である。


なお、写真は茅ケ崎南海岸の氷室椿庭園にて、正月五日撮影。














この記事へのコメント

最近の記事

最近のコメント