This is upside down!(それは逆さまです!)北米学生へのHAIKU授業とその顚末

haiku2017.jpg


年に一度なんですが、北米(アメリカ、カナダ)から私どもの大学にやってくる大学生に、俳句を教える機会があります。

昨日はその日でした。最初の挨拶から、お世辞にもうまいと言えない英語で、また英語が行き詰った場合は、国際理解センターの職員の方々にもお手伝いをお願いして、なんとか乗り切りました。

それにしても、年々、下手になって行きますね、語学、特に英語は。。。

今年の九月に学生二十名を連れてフィンランドやバルト三国に行く予定ですので、これからちょっと集中して英語の特訓をしようと計画をしています。講師は娘です。

娘は夜中によくヨーロッパの友人と大声で英語を話しています。時差の関係でそうなってしまうとのことですが。うちの奥さんは眠れない!と怒っています。私は聞き耳を立てて、何と言っているのかヒアリングの練習にしていますが、早くてもう聞き取れません。昔日は、ぼくが彼女に英語を教えてあげたのになぁと、にやにやしつつ眠りにつくといった具合です。

それはさておき、この授業のスケジュールですが。。。

Schedule

A pen name of Haiku poet

2   What is Haiku?

3   A great works and an example

4   Let’s try it! (Composing Haiku)

5   Translation (Translate Haiku into Japanese)

6   Let’s try Shodou (Write your works on Japanese paper: Tanzaku)

  and Put tanzaku on the bamboo blind


こんな感じです。

1)
まずは学生一人一人に俳号をプレゼントすることから始まります。
これは学生の名前に漢字をあてて俳号っぽくするんですね。
これが毎回オオウケで盛り上がります。

例えば、トレント君なら「賭連徒」、ケニー君なら「毛烹」、ローラさんなら「露羅」などと付けてあげるのです。
この時のポイントは男子はちょっと笑いを取りに行くこと、たとえば「賭連徒」なら君はギャンブラーだとか、「毛烹」なら君は毛ガニの鍋が好きだろうとか、英語で説明をしてあげるんですね。とくにまじめそうな男子に、こうした不良っぽい名前がつくとたいへん盛り上がります。でも、これを女子にやってはいけません。女子には素敵な名前をつけて、「露羅」なら露に濡れた美しい衣などと説明してあげます。

彼らの多くは自分の名前を漢字で表記されたことがありませんから、これが大変新鮮に映るらしく、滞在中にこの俳号もどきで、判子を作ってしまう学生も居ます。

2)、3)、4)
次には俳句とは何かを説明し、俳句を実際に作ってもらいます。
でもこれを授業中にやる時間はありませんので、事前に英語で作った俳句の説明文と例句、そして俳句作り方の文書を渡して、実際に作って貰います。

ただし、いきなり日本語で俳句が作れるわけがありませんから、英語の俳句、つまりHAIKU(三行詩)を作ってもらいます。
以下のように簡単に説明します。この「簡単に」が大切です。

Lets try it! (Composing Haiku) Now it's your turn to write.                                       

Rules:

  • 3-short lines
  • 1-season word 
  • no rhyme or metaphor
  • 17 syllables, 5-7-5 ( or first line-24words, second line-35words, third line-24words)

* It is important for composing Haiku to describe a moment.  


それから例も忘れてはいけません。

example


Tremor at noon 

 a wind-bell a wind-bell
 stops ringing

I am nobody 
 A red sinking autumn sun
 Took my name away

5)
こうした例にならってHAIKU(三行詩)を事前に作ってもらって(二つほど)提出してもらい、それをこちらで日本の俳句に翻訳します。これがちょっと大変ですね(いつも娘に手伝ってもらいます)

6)
そして授業の当日、その翻訳の意味を少し説明し(もちろん全てを理解することは出来ませんが)、その日本語になった自分の俳句を短冊に清書して、張り出します。
ま、簡単に書道を行うわけですが、これがまたなかなかの傑作ですね。最初の写真を見て下さい、かなり芸術的でしょう!!

英語圏の方々は文字を縦に書いたことがありませんので、とにかく書き方がすごいです。「事」の縦棒を下から書いたり、くにがまえを左回りに書いたりします(笑)

いつぞや、こんなことがありました。

この授業に、学生を引率して来られたアメリカ人の先生が参加されて、学生と同じくHAIKUを作りました。私が翻訳して日本語の俳句にしたところ、なかなか良い出来栄えだったので、私も短冊に筆で清書して、その先生に記念として差し上げました。

その先生は大変喜ばれて、プロフェッサー染谷に書いていただいたものだと、学内で色々な方に見せて回っているんですね。もうこれだけで恥ずかしかったのですが、その短冊を見た先生方の反応が、ざわつくと言うのでしょうか、ちょっと変だったものですから、回り込んでその短冊を見たら、なんと上下が反対でした。

This is upside down!(それは逆さまです!)と思わず私は叫びました(笑)。この時はすっと英語が出て来たのも不思議ですが。。。

毎回、そんなてんやわんやですが、学生たちの反応が面白く、ついついこちらも入念な準備をするといった具合です。

それにしても、彼らの作るHAIKU(三行詩)には中々のものがあります。どこか醒めたような感覚があって、それが独特な切れ味を生み出しているんですね。ひょっとしたら北米のHAIKUは、日本の俳句にはない独特な世界を生み出しつつあるのかも知れませんね。






この記事へのコメント

最近の記事

最近のコメント