『男色大鑑』(武士編)中の短編、大学生から見た人気ベスト5はこれだ!

(青山学院大での授業風景)
今年の4月から7月まで、青山学院大の授業で『男色大鑑(武士編)』を読みました。その20篇の中で、学生にとってどの短編が一番面白かったのかを調査しました。
学生のアンケート数は136人、その中の人気1位=5点、2位=4点、3位=3点、4位=2点、5位=1点で、それぞの5位までを計上する形で、計算してみました。
《1位》
巻3の2 嬲りころする袖の雪 33票×5=165
巻2の2 傘持つてもぬるる身 32票×5=160
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 16票×5=80
巻1の4 玉章は鱸に通はす 10票×5=50
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り 9票×5=45
《2位》
巻3の2 嬲りころする袖の雪 23票×4=92
巻2の2 傘持つてもぬるる身 19票×4=76
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り 15票×4=60
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 10票×4=40
巻1の1 色はふたつの物あらそひ 8票×4=32
《3位》
巻1の4 玉章は鱸に通はす 22票×3=66
巻3の2 嬲りころする袖の雪 18票×3=54
巻2の2 傘持つてもぬるる身 15票×3=45
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 11票×3=33
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り 10票×3=30
《4位》
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り 15票×2=30
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 14票×2=28
巻2の2 傘持つてもぬるる身 13票×2=26
巻2の5 雪中の時鳥 13票×2=26
巻1の4 玉章は鱸に通はす 10票×2=20
《5位》
巻1の4 玉章は鱸に通はす 14票×1=14
巻2の3 夢路の月代 13票×1=13
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り 13票×1=13
巻2の2 傘持つてもぬるる身 11票×1=11
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 10票×1=10
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合計として、
☆★☆第1位 巻2の2 傘持つてもぬるる身 =318点
☆★第2位 巻3の2 嬲りころする袖の雪 =311点
☆第3位 巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃 =191点
第4位 巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り =178点
第5位 巻1の4 玉章は鱸に通はす =150点
第6位 巻1の1 色はふたつの物あらそひ = 32点
第7位 巻2の5 雪中の時鳥 = 26点
第8位 巻2の3 夢路の月代 = 13点
ということになりました。
ただ、授業では、
巻1の4 玉章は鱸に通はす
巻2の2 傘持つてもぬるる身
巻3の2 嬲りころする袖の雪
巻3の5 色に見籠むは山吹の盛り
巻4の4 詠めつづけし老木の花の頃
の5篇を詳しくやりましたので、これに人気が集中するのは仕方のないところだと思います。
ですから、推しの若衆やカップル、そして短編が、ここに載ってないことをあまりお嘆きにならないように。。。
また、
第1位 巻2の2 傘持つてもぬるる身
第2位 巻3の2 嬲りころする袖の雪
ですが、全体の1位と2位の中では「嬲り」がトップですし、4位、5位の点数(ベスト5には入っていない)を加えれば、この1位、2位は逆点します。ただ、「傘持つて」は1位から5位までのベスト5に必ず顔を出すという平均値が極めて高いことを考えると、やはり人気があるとも言えます。一応、この順位にしましたが、この1位2位は、ほぼ同じと考えておいて良いですね。
ちなみに、他のサイトで行われている調査や、この若衆文化研究会のサイトで昨年8月に行った、前半のベストカップル調査などと比較してみるのも面白いかと思います。
http://someyatomo.seesaa.net/article/460989191.html
なお、今回の調査は、青山学院大文学部日本文学科のハ・ゴンウ君に手伝ってもらいました。
試験やレポートで忙しい中、ありがとう。
以上です。(染谷)
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