「夏景色廓の達染」を紹介します

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(盗難防止用に一部加工してあります)

豊原国周「夏景色廓の達染」(慶応2年・1866・「なつげしきくるわのだてぞめ」)の一枚、「弁天小僧菊之助」です。

これは、全部で5枚ありまして、つまり「五人男」スタイルですね。

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(盗難防止用に一部加工してあります)

左から順に、

牛若小僧伝次
天狗小僧霧太
金時小僧力三
弁天小僧菊之助
淫我小僧六之助

です。つまり五人小僧衆ということですね。
この人ってだあれ?と思うのは、「淫我小僧六之助」ですが、これは「因果小僧六之助」のことです。
六之助は、享保期(1716‐36)の盗賊、かの雲霧仁左衛門の一味で、雲霧五人男の一人です。

雲霧は池波正太郎の小説などで有名ですね。TVドラマでは中井貴一さんが好演されていました。

この浮世絵、江戸末期のどんづまりで刊行されたものですが、盗賊五人衆?だけあって、夜中に出没します。五人の背景は漆黒で、すぐ後ろに墓原、遠くに町の屋根が連なります。この景色を背に五人の浴衣姿がまさに伊達でして、爽やかさを醸し出しています。

(染谷記)







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