新年、明けましておめでとうございます

(豊原国周画「牛若丸-沢むら訥升(とっしょう)」1867年、個人蔵)
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年に初詣に出かけるのもいいですが、家ですこしお酒を呑みながら浮世絵を見るのも素敵なことです。
加えて、正月に若衆の絵、これがなんとも相応しいと言いますか・・・。
美少年の鑑、牛若などぴったりですね。
ちなみに、浮世絵はやはり実物を見るに限ります。また額に入れるのではなく、そのままを鑑賞する。
浮世絵は高くて手が出せないという認識が世にありますが、そんなことはありません。五千円から一万円で買えるものがたくさん出回っています。掲示したものも、そのぐらいの値がついていました。また、ヤフオクでもっと安いものを入手することも出来るかも知れません。
(それに比べて、大正・昭和初期の新版画(川瀬巴水など)の方が遥かに高い、というのは不思議なことですが・・・)
また、アクリル板の額に入れて鑑賞するのでなく、実際に浮世絵を手にとって見ることが大事です。というのは、浮世絵は和紙に摺られていますから凹凸があるのです。つまり立体的なんですね。実物を見るとそれが良く分かります。
掲出した牛若丸の絵ですが、眉間あたりのうっすらとした紅と、生え際のしっかりとした髪の黒がまったく違います。紅はやさしく摺り、髪は強く和紙に押し込んだことがよく分かるのです。
浮世絵は幕末にはそば一杯と言われました。今で言えばワンコインですね。それでこれほど上質のものが市中に溢れていたのですから、実に豊かな時代だったと思います。
そんな江戸時代とともに、浮世絵の手わざ、絵師・彫師・摺師の職人芸に思いをはせながら正月を過ごす。これほど贅沢なことはないと思います。
以上です。
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